「マザーレイク」の水面をイメージして作られた
毎日の暮らしに寄り添う、美しいモザイクガラスの器
富山県富山市
美しいモザイクガラスを作り出すサブロウの4つの魅力
- 湖の水面をイメージして作られた、手作りのモザイクガラス
- 独自のブレンドで作られる、やわらかな色合い
- 膨大な工程と巧みな技術を要する技法「キルンワーク」
- ガラス文化振興に力を入れる「ガラスの街 とやま」を中心に活動しています
ガラスの街「とやま」
1985年、北陸の富山で熱いガラス文化が誕生しました。
新しい文化の創出と地場産業育成の観点から
ガラス芸術の振興に力を入れようと
「富山市民大学ガラス工芸コース」を開講したのが始まりです。
1991年には「富山ガラス造形研究所」を開校。
将来のガラス文化を担う優れた人材の育成にも本格的に取り組み、
近年では、気軽にガラスの魅力に触れてもらおうと、
市内の公共施設や街角にもガラス作品を設置するなど、
街全体が「ガラスの街 とやま」を実現しようとしています。
サブロウの器は、そんなガラスの溢れる街と、
魅力のある創作環境で生まれています。
同じ表情をしない「水」の一瞬をガラスで表現する
それは「青のインスピレーション」から始まった
サブロウ
元々はドイツでワイン関係の仕事をしていたサブロウ。そんな中、たまたま訪れたベルリンの「カイザーヴィルヘルム教会」見渡す限りを青一色のガラスブロックで埋め尽くされ、青い光に包まれる「青の教会」として有名なスポットです。「青いガラスブロックの空間に包まれた瞬間、水の中に居るような、穏やかで神聖な気分に包まれました。その迫力が、ガラス作家になろうと思ったきっかけです」この教会で受けたインスピレーションをきっかけに、帰国後は富山県でガラス造形を学び、作家としての活動を始めます。
今は日々楽しんでもらえる器を、その先は暮らしの中でのアートをと。サブロウは吹きガラスが一般的な中、窯を使ったキルンワークという技法を選びました。器の制作は、板ガラス作りから始まります。それを細かいパーツに切り分け、デザインして並べた後、その隙間に色ガラスの粉を詰めて溶着。さらに器の原型となる素焼きの型に載せ、温度を上げ変形させて仕上げます。美しいモザイク柄に仕上げるためには大変な手間と技術を要するため、キルンワークで作られた「普段使いの器」は希少とされています。
こうして作られる、美しいモザイクガラスの器
サブロウ
今はガラスの街・富山で活動をしているものの、もともとは滋賀県「マザーレイク」と呼ばれる琵琶湖畔で育ちました。その琵琶湖の美しい水面と教会のガラスを、創作活動のテーマとしてしています。だからモザイク柄のモチーフは、小さい頃から身近だった琵琶湖の水の波紋。同じ表情を見せないマザーレイクの一瞬を表現するのが、サブロウの器なのです。では、どのようにして美しいモザイクガラスの器が作られるのでしょうか。
まずは、素材となるガラス板を作ります。出来たその板にカッターで切り込みを入れ、ハンマーで叩き、モザイ
クの部品をつくります。そしてサブロウさんは、四角い枠の中にいろんな大きさのモザイク部品をパズルのように丁寧に組み立てていきます。パーツとパーツの間は、独自に調合したガラスの粉を埋め、窯で焼成すると、色目地の柄がついた板状のガラス板ができます。サブロウさん自らロクロなどで造る、素焼きで出来たいろんな器の型。その型の上に板状のガラス板を載せ、窯に入れて焼成。板状のガラスは熱が加わり、型のとおりに溶けて固まります。最後に研磨などの仕上げの工程を経て、美しいモザイクの器が出来上がります。