「関もの」ブランドの高い品質を作り上げる
大分漁業組合佐賀関支店
大分県大分市佐賀関
「関」の魚が他とは違う4つの秘密
- 速吸の瀬戸の速い潮と荒波で育つ引き締まった身
- 魚を傷つけない「一本釣り」で釣り上げる
- 生簀から出さずに大きさを判断する「面買い」で取引される
- 熟練した技による血抜き「活け締め」により保たれる鮮度
おいしい魚を育てる
「大分県佐賀関沖」
日本でも有数の好漁場である大分県佐賀関沖の
速吸の瀬戸(豊後水道)は、瀬戸内海と太平洋が
ぶつかりあう潮の流れが速い水域となっている。
その潮流の中で泳ぎまわることで、引き締まった身になり、
また、植物性プランクトンの層も厚く餌が豊富なため、
元気で健康的に太り、程よい脂がのった美味しい魚が育つ。
その美味しい魚を大分漁業組合佐賀関支店の
漁師により一本釣りされたものだけが
高級水産ブランド「関」の名乗れる。
また、組合員による徹底した品質管理により
他とは違う、本当においしい状態で消費者に届けられる。
一本釣り・面買い・活け締め。全ては鮮度のため。
徹底した品質管理が生み出す「関もの」ブランド
大分漁業組合佐賀関支店
速吸の瀬戸で育った身が締っておいしい魚。それを捕まえるだけなら他でもやっている。では、「関もの」と言われる魚は他とは何が違うのか。それは、魚にストレスを与えないための徹底した品質管理である。
それはまず釣り上げる段階から始まる。魚に傷をつけない、ストレスをできるだけ与えないように、「一本釣り」による漁法をとっている。網を使った漁法に比べると効率が悪いが、魚をおいしい状態で捕まえるために一本釣りにこだわっている。
一本釣りされた魚は、すぐに生簀へと移され生きたまま港に持ち帰る。そして、港では一般に重さや大きさを見るために生簀から取り出して判断するのだが、ここでは生簀から出すことなく、大きさや重さを判断して取引する「面買い(つらがい)」が行われている。熟練し確かな目をもったものしか出来ない技だ。これも魚にストレスを与えないために行われていることだ。
鮮度と美味しさを保つ「活け締め」
大分漁業組合佐賀関支店
面買いされ生簀の中でいったん落ち着かせた魚は、一匹ずつ丁寧に「活け締め」という処理が施される。活け締めとは、魚の神経や血を抜き、氷を入れた海水で冷やす工程である。すべてが手作業なだけに熟練した技術と手間を要するが、この作業こそが、魚の活きのよさを保っている。
生きている状態だと普段とは違う環境でストレスや疲労がたまり味が落ちてしまうため、この活け締めにより味の劣化を防いでいる。
活け締めという処理を施すことにより、さっきまで海で泳いでいた状態のまま新鮮でおいしい魚を届けることが出来る。活け締めされた魚は素早く梱包され、全国各地に届けられている。
家庭で佐賀関の新鮮な魚を味わうことが出来るのも、大分漁業組合佐賀関支店による努力の積み重ねがあってこそ。圧倒的に味と鮮度が違う極上の刺身の味は一生思い出に残ることに間違いない。
努力の末に評価を得た佐賀関のブランド
大分漁業組合佐賀関支店
その品質の高さから魚の最高級ブランドとして知られる「関もの」であるが、ここに至るまでには大分漁協組合佐賀関支店の数え切れないほどの努力があった。
「関もの」は元々ブランド化しようという意図はなかったそうだ。PR活動のために東京や福岡などを回って試食会や品評会を行った。東京のホテルなどではサバの刺身の前例がないということで中々うまくいかなかったが、一方で福岡や大阪では一定の評価を得ることができた。
確かな味と品質の関ものの知名度は徐々に上がっていったが、それに伴って偽者が市場に出回ることになった。そこで、漁協マークの商標登録申請を行い、それを貼ることで偽者対策を行っている。
一過性のプロモーションに依存した地域ブランドは一旦取り上げられブームが訪れるが、そのブームが去ることも珍しくない。しかし、佐賀関のブランドが定着して全国でも愛されているのは、魚そのもののよさとその味を最高の状態に保つ大分漁協組合佐賀関支店による努力によるものである。